Rhinoceros(ライノセラス)とは Robert McNeel & Associates(McNeel)というアメリカの会社が開発した3Dソフトです。
Rhinocerosは「ライノ」と略して呼ばれることが多いです。
このソフトはプロダクトデザイナーやメーカーも使用しているソフトで、工業デザインはもちろん、機械設計、金型設計、試作、製造、建築、宝飾、マルチメディア、FEM・CFD等解析など、多種多様な分野で活躍するソフトと言えるでしょう。
Rhinocerosの特徴、価格 、使用感について紹介していきたいと思います。
Rhinocerosの特徴
NURBSモデリング( 最大の特徴 )
RhinocerosはなんといってもフリーフォームNURBS(ナーブス)モデリングに強いというのが最大の特徴と言えるでしょう。
NURBSはNon-Uniform Rational B-Spline(非一様有理Bスプライン)の略で、曲線や曲面を生成するためにコンピュータグラフィックスで一般的に採用される数学的モデルである。その柔軟性と正確性からモデリング用の形状にも、解析的な用途にも向いている。
「NURBS」『ウィキペディア フリー百科事典』(https://ja.wikipedia.org/)
最終更新日時:2020年12月23日 22:21(日本時間)
アクセス日時:2021年7月22日 14:27(日本時間)
「ナーブスってなんやねん。小難しいことはちょっと。。。」という声が聞こえてきそうですが。
簡単に言い換えると、有機的な形状に強い3Dソフトと言えるでしょう。
どんな分野のモデリングに有効?
筆者のプロダクトデザインを主とした使用経験からどのようなモデリングに適しているのかをご紹介させて頂きたいと思います。
モビリティ分野
ファニチャー分野
ジュエリー分野
優れた互換性
Rhinoceros は互換性にも優れたソフトであると言えます。
2D
トップシェアのCADソフトAutoCAD図面(.dwg)ファイルのインポートおよびエクスポートが可能です。
インポートされた2Dラインを使用して、押し出しコマンドなどでモデリングすることも可能です。
3D
中間ファイルであるSTEPやIGESはもちろんのこと、他3Dソフトのネイティブデータもインポートできる範囲が広いです。詳細は下記サイトで確認できます。サポートされているファイル形式
価格などについて
販売について
Rhinocerosは日本での販売は AppliCraft(アプリクラフト)により行われております。
AppliCraftの他、販売代理店も多数あるようです。
価格について
標準価格:商用版 158,400円(税込)
「Rhinoceros」 『AppliCraft』 (https://www.applicraft.com/products/rhinoceros/rhinoceros/)
教育版 39,600円(税込)
アップグレード商用版 94,600円(税込)
アクセス日時:07/25/2021 17:43:33 調べ
約16万円といった感じでしょうか。
他代理店も調べてみれば安く手に入れられるかもしれません。
ライセンスについて
永久ライセンス
Rhinocerosのライセンスは永久ライセンスであると、 Robert McNeel & Associatesの購入に関するページに記されてます。買い取り方式となりますので、サブスクリプションに抵抗がある方には向いてるかもしれません。
ライセンス管理方法
Rhinoのライセンスの認証には3種類ありますが、基本的にはCloud Zooでまず間違いないかと思います。
Cloud Zoo – ログインすることで世界のどこにいてもRhinoのライセンスを使用できます。
単一のコンピュータ – 1つのコンピュータでRhinoのライセンスを認証する方法です。
LAN Zoo – 一式の複数のRhinoのライセンスをプライベートネットワークでフローティングして使用する方法です。Cloud Zooを使用する方法が通常一番便利な方法です。
「ライセンスの認証」 『Rhino』 (https://www.rhino3d.com/features/administration/licensing/#cloud-zoo)
アクセス日時:07/30/2021 18:57:06 調べ
以下にCloud Zooのメリットをまとめておきます。
- どのコンピュータででも使用可能( アカウントにログインしてRhinoを使用)
- 企業や学校でライセンスの配布を簡易化可能(ライセンスプールを作成し、メンバーとライセンスを共有可)
- オフラインでも作業が可能(ライセンス認証は常時のインターネット接続がなくても動作する)
Cloud Zoo では 単一のコンピュータ と LAN Zoo 、双方のメリットを享受できるようないイメージですね。
Rhinocerosを使用した感想
Rhinocerosを使用してみた感想を紹介させて頂きたいと思います。
使用用途は主にプロダクトデザイン。
実は学生のころから大学で使用しているソフトですが、最近体験版を個人PCにインストールして使用してやっぱり使いやすいな~って印象です。
3次元ソフトではヒストリー系 と ノンヒストリー系 にざっくり分類することが可能です。
- ヒストリー系 :フィーチャーベースでモデリングを行う
- ノンヒストリー系 : ダイレクト機能に特化
Rhinoceros は、「ノンヒストリー系」のソフトと言えます。
従って直感的な操作感で造形の自由度が高いと言えます。
半面、寸法で形状管理には不向きで、3DCADというよりモデリングソフトと呼ばれる事が多い理由です。
CADに比べると図面を書くのにはあまり適していないと言えるかもしれません。
機械設計というより、プランニング段階のプレゼンテーションなど、意匠デザインといった領域で大きく力を発揮するソフトであると感じました。
Rhino 7では驚いたのがレンダリング機能です。
昔のVer.4ぐらい時はレンダリングの拡張プログラムなどを使用して、まともなレンダリングが可能でした。
Rhino 7 では拡張プログラム不要で、十分リアルなレンダリングがネイティブにサポートされています。
評価版の使用期間が90日間もあるのもうれしいですね。
評価版で購入するか検討する予定でしたが、現時点ではかなり前向きに購入検討しております(笑)