SOLIDWORKS(ソリッドワークス)とはアメリカの Dassault Systèmes SolidWorks Corporation(ダッソー・システムズ・ソリッドワークス)から提供される機械設計に特化したミッドレンジの3DCADソフトウェアです。
※親会社はフランスの Dassault Systèmes S.A.となります。
SOLIDWORKSの特徴、価格、 使用感 について紹介していきたいと思います。
SOLIDWORKSの特徴
フィーチャーベースモデリング(最大の特徴)
SOLIDWORKSは、フィーチャーベースモデリングを優れたインターフェースで使用できることが最大の特徴ではないかと思います。
モデリング手法の一つである「フィーチャーベース」とは、立体の形状作成する手法として、「フィーチャー」を積み重ねて部品を作り込んでいくモデリング手法である。「フィーチャー」とは直訳すると「機能」である。つまり、「機能」を3D形状として定義するモデリングである。
「「フィーチャーベース」と「ダイレクト」を理解する【モデリング手法/第1回】」『大塚商会』(https://www.otsuka-shokai.co.jp/)
アクセス日時:08/02/2021 21:23:19
少しイメージしづらいかも知れませんが、モデリングの修正作業など、フィーチャーの履歴を過去に遡って修正ができたり、と設計変更が容易なモデリング手法と言えます。
アセンブリ機能
またアセンブリ機能も大きな特徴の一つにあげられます。「アセンブリ」ってなんだ?と、なかなか馴染みの無い単語かもしれませんが、「部品を集めて組み立てる」といった意味があります。つまり、複数モデリングした部品を組み合わせた、アセンブリデータの作成が行えます。
アセンブリ機能を活用することによって、具体的には以下のようなメリットがあげられます。
- 組み立て完成品をイメージしながら、部品の修正を行える。(トップダウン手法)
- 部品ファイルが変更されると変更内容がアセンブリファイルにも自動で反映される。(形状の連動)
- 一定の自由度を残して製品の機構を再現したりできる。(機構再現)
- 構成部品を別ファイル部品やバリエーションへと容易に変更できる。 (部品置換、コンフィギュレーション)
このような機能を活用することで、的確にデータを作成、修正するモデリングアプローチが可能になります。
構造解析ツール
SOLIDWORKSの本体商品パッケージの他、 SOLIDWORKS Simulationという解析機能を有するCAEツールを別途購入し、アドオンすることが可能です。
CAE(英: computer-aided engineering、シーエーイー)は、コンピュータによって支援された、製品の設計・製造や工程設計の事前検討などといったエンジニアリングの作業のこと。あるいはそのためのソフトウェアやツール等を指す場合もある。
「CAE」『ウィキペディア フリー百科事典』(https://ja.wikipedia.org/)
最終更新日時:2021年3月22日 18:15(日本時間)
アクセス日時:2021年8月3日 20:40 (日本時間)
モーションシミュレーションや疲労解析などといった豊富な検証機能を使用することができ、これによって 設計プロセスの初期段階に、手戻りを避けた形状の最適化が期待できます。
SOLIDWORKS Simulation にはいくつかのグレードがございますので、価格等含めて詳細は下記をご確認ください。
パッケージと価格について
パッケージ
SOLIDWORKSには用途に応じて3つのパッケージが用意されております。
詳しく説明すると情報量が膨大になってしまうので、ここではざっくりとした比較表を記載します。
パッケージ | ざっくり できること | ざっくり 機能 |
SOLIDWORKS Standard | 基本のパッケージ。 フィーチャーベースモデリングでの部品、アセンブリファイルの作成、2次元図面の作成など。 | ・CAD基本機能(3次元設計・図面作成) |
SOLIDWORKS Professional | 生産性向上のを目的としたプロ仕様のパッケージ 。 SOLIDWORKS Standard の機能に加え、 ボルトやナットなどの規格品を使用でき、図面作成や印刷、ファイルの変換の自動化が行える。さらに写実的なレンダリングを作成可能になる。 | ・標準部品ライブラリ(Toolbox) ・レンダリング(PhotoView 360、SOLIDWORKS Visualize) |
SOLIDWORKS Premium | SOLIDWORKSの最高峰パッケージ。 SOLIDWORKS Professional の機能に加え、 線形静解析で荷重による応力、変位、安全率を可視化でき、機構解析によっては可動の速度、変位、動力のグラフ化や、干渉チェックが可能になる。複雑な配線設計の装置や設備を直感的にスムーズに設計できる。 | ・線形静解析 、機構解析(Simulation) ・ルーティング( Routing ) |
価格
購入する際は、基本的に販売代理店からの購入となります。
詳細は こちら を参照ください。
つまり、価格も販売代理店によって変動がございますので、ここでは国内販売トップの㈱大塚商会の価格を参考までに記載しておきます。
SOLIDWORKS価格
「SOLIDWORKS 価格(ソリッドワークス 価格)」 『CAD Japan.com』(https://www.cadjapan.com/)
SOLIDWORKS Standard
スタンドアロン版 985,000円(税別)
ネットワーク版 1,084,000円(税別)
SOLIDWORKS Professional
スタンドアロン版 1,180,000円(税別)
ネットワーク版 1,298,000円(税別)
SOLIDWORKS Premium
スタンドアロン版 1,580,000円(税別)
ネットワーク版 1,738,000円(税別)
アクセス日時:08/02/2021 16:48:10 調べ
まあざっくり100万円ほどのソフトといったところです。かなり高額に感じるでしょうが、多彩な機能が充実したミッドレンジの3DCADソフトウェアといった観点では、SOLIDWORKS は比較的安価であると言われております。
使用感について
メーカーや工場で勤めていた際に商品設計で使用していた SOLIDWORKS 。使い慣れているということもありますが、一言で感想を述べると、使いやすい の一言につきます。総合力が素晴らしい印象です。
・優れたインターフェースで操作わかりやすい
・修正とっても簡単
・2次元図面への反映も容易
他にも魅力はたくさんあるのですが、プランニング段階より、詳細設計の段階で力を発揮するソフトと言えるでしょう。
プランニング段階や、デザインなどの用途でしたら、Rhinoceros(ライノセラス)などの感覚的なダイレクトモデリングの3Dソフトの方が使いやすいかもしれません。 Rhinocerosについてまとめた記事はこちらから。
いかがでしたでしょうか。
SOLIDWORKS は組織での活用に適しているソフトとも感じました。素晴らしいソフトですが、個人での導入は費用面でもなかなか難しいといえるかもしれませんね。。